指導学生の卒業論文が日本教育工学会論文誌に掲載されました。
養育者が謙遜として行う自分の子どもを卑下するコミュニケーションについて、子どもを対象に質問紙調査を行った結果をまとめました。
論文は以下のアドレスからご覧いただけます。
https://doi.org/10.15077/jjet.46048
論文のポイント
この研究では、保護者が他者に対して行う「うちの子って全然できてないのよ」という謙遜（論文中では身内卑下呈示と表記）に着目しました。こうした発言は、保護者同士で話している中でもよく出てくると思います。子どもは、保護者の卑下するような発言が謙遜であると理解していても、そうした発言を繰り返し聞いていると、自分の良さに気づけなくなる可能性があることが明らかになりました。
この論文で示唆されることとして、保護者は、つい習慣的に言ってしまう子どもを卑下するような発言に注意する必要があるし、思わず言ってしまった場合は、子どもに対してフォローする必要があることが挙げられます。
１つの学校での１回のアンケート調査なので、因果関係まで踏み込んで解釈することはできませんが、子どもとの関わりについて考える一つの資料となれば幸いです。